Wacom Oneを買った

液晶ペンタブレット。これ。

www.wacom.com

わしの若い頃は液晶ペンタブレットは何十万円もして高値の花だったが……海外のメーカーが安い液晶ペンタブレットを出してきて、それに対抗してかペンタブレットの老舗のWacomが4万円で買える液晶ペンタブレットを発売するということで、話題になっていた。

AmazonWacom製品を買うと、おまけにCLIP STUDIO PAINTのカスタムブラシが付くというのが気になったけれど、ヨドバシで試してAmazonで買うのも悪いし早く欲しかったので、そのままヨドバシで買って帰った。

用途

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Wacom Oneで描いた。 PC環境はこんな感じだった。 右側の24インチで主に作業をし、左上の17インチに資料などを置き、右下の13.3インチでアニメを観る。

www.tekwind.co.jp

右下のは、GeChic On-Lap 1303H。 モバイルモニターなので小さいのにFullHD。 何かのコンテストなどで外で本気でPCを使いたいときには、これを持ち出してデュアルディスプレイにしていた。 このモニターはケースがそのままスタンドになるのだけど、ちょっと前にスタンドが壊れた。

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ダクトテープでなんとか直した

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他のところの接着剤も劣化して剥がれてきている

あと発色がいまいちで、アニメの暗いシーンが見えない。

で、買い換えようと思って何を買うか迷っていたところにWacom Oneが発表され、モバイルモニターとたいして変らない値段だし、ペンタブ機能も付いてお得なのではないかと思った。

発色

ということで、私にとってはペンタブ機能はおまけで、画面の発色のほうが重要。 色はともかく、暗いシーンがちゃんと見えてほしい。

結果はいまいち。 前のモニタよりはマシだけれど、メインで使っているモニタ(10年前に買ったMitsubishi MDT243WG)には劣る。 黒が白っぽい。

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こんな画像を作って試してみると、 #080808 がギリギリ見えるくらい。 PVとIPSの違いよりも、モニタの表面加工の問題が大きいんじゃないかと思う。 部屋の電気を消すと、 #040404 がうっすらと見える。 「グレアの液晶の何が良いのか分からない」と言ったら、「光はどうせ反射するので、モニタの設置場所を調節できるのならば、一方向にしか反射しないグレアのほうが良い」と返されたことがあり、こういうことなのかもしれない。

ちなみに、このPNG画像をはてなフォトライフにアップロードしたら、ガンマ値を勝手に突っ込まれたので、↑で表示されているものは書かれている文字の色ではないと思う。 HTML版

周辺部の減光もあるような気がする。

モニタとして使いたいならモニタを買ったほうが良かった。 でも、このサイズで発色の良いモニタがあるのだろうか。 まずは広い机を買うところからか。

液晶ペンタブレット

液晶ペンタブレット(液タブ)は初めて買った。 普通のタブレット(板タブ)は、Intuos 3 PTZ-630とIntuos 5 touch smallを持っている。 たしかに、板タブは最初は思ったところにペンを動かせずに苦労した覚えがあるけれど、それに慣れたら別に液タブでなくても良いのではないかと思うが……。 どうなんだろう。

スマホでは当たり前にやっていることとはいえ、液晶画面をベタベタ触り、あまつさえペンでガリガリとするのはなかなか背徳感があって良い。

ケーブル

2mくらいの太くて長いケーブル。 USB Type-Cっぽいものを本体に刺し、2本のUSB Type-AをPCとACアダプタに、HDMIをPCに刺す。 前のモニタは電源用のmicro USBとmicro HDMIの2本を刺していたので、これが1本になってすっきりするのはありがたい。 机の下は元からケーブルがゴチャゴチャしているので数本増えたところで変らない。 とはいえ、外に持ち出して使うときには邪魔になりそう。

USB Type-Cは映像信号も通せるので、PCと液晶タブレットが対応していれば、USB Type-Cケーブル1本で繋げるはずではある。 が、試そうにもそもそも手元のUSBケーブルが刺さらない。

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左が付属のケーブルで、右が手元にあったUSBケーブル。 端子の根元の黒い部分が引っかかる。

USB Type-Cの規格上、この部分は最大12.35mm×6.5mmらしい。

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https://www.usb.org/sites/default/files/USB%20Type-C%20Spec%20R2.0%20-%20August%202019.pdf#page=47

たぶん、意図的に刺さらないようにしているのでしょう。 「普通のUSB Type-Cは刺すなよ」というWacomの意思を感じる。 刺さるケーブルを探してきてもたぶん動かないと思う。

付属のACアダプタの出力は5V, 2A。 急速充電対応を謳ってるモバイルバッテリーなら出せる出力。 PCからもものによっては出せるはずで、そういうPCなら電源用のUSBケーブルは繋がなくても良いかな?と思ったけれど、ダメ。 電源用のほうもPCに刺したら動いたので出力は足りているはず。

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電源用のUSB端子の根元が大きくなっていて、PCに刺そうとすると邪魔になる。 これも「ACアダプタに刺せ」というWacomの意思を感じる。

モバイルモニタ/板タブとして使えるのか?

電源用のUSBは必須として、信号用のUSBを刺さずに、単なるモバイルモニタとして使うことはできる。 ゲーム機を繋いだりとか、便利なときがあるかもしれない。

逆に、HDMIを刺さずに単なる板タブとして使うこともできる。

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ここでWacom One以外のモニタを選べば良い。

ボタンに「マッピング画面切替」を割り当てれば(見つけづらいが、ペン→ボタン→タブレットの中にある)、手元の液タブで作業をしつつ、ちょっと切替えで奥のモニタをペンタブで操作するということができる。 液タブの画面の発色に文句があるのなら、色に関する作業だけは液タブを板タブとして使って別のモニタを使う、ということもできる。

しかし、ここでペンにボタンが1個しか無いというのが効いてくる。 安くするためとはいえ、そんなところを削らなくても……。 せめて、上位グレード用のペンを買い足したら使えるようにしてくれれば良かったのに。

そういえば、上位グレードの製品は複数のペンを同時に使える(筆圧などの設定を個別に変えたり、お絵かきソフトで別のツールに割り当てたりできる)らしいけど、Wacom Oneはどうなんだろう? サードパーティーのペンも使えるということで、鉛筆っぽいペンなども出ているので、使い分けられたら楽しそうだけど。

位置調整

ペンの位置とカーソルの位置は調節ができる。 というか、液タブはPCから見ると、モニタとタブレットがわりと別の扱いなのかもしれない。 なので、「上位グレードの製品に比べると視差が大きい」という評判だったけれど、タブレットと目の位置が固定ならば、そこは合わせられる。 まあ、顔を動かすと浮いて見えるのはどうしようもないが。

その他

1個バグを見つけた。 最初の図の右の24インチモニタがメインなので、Windows的にはこのモニタの左上が(0, 0)になっている。 左上の17インチモニタのx座標はマイナス。 このときタブレットを左上のモニタに割り当てると、カーソルを右に持っていったときに、右のモニタにはみ出る。 負の数の剰余とか何か間違えていそう。

画面上部の布の部分にペンを刺して持ち運べるようになっている。 バッグの中に入れたりしていると、いつかひっかけて壊しそうで怖い。