日本ディープラーニング協会G検定でGoogle検索はありなのか?

2020年第3回試験で合格した✌

G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するディープラーニングに関する2個の試験のうちの簡単なほう。 公式サイトに、

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する。

G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

と書かれているように、実際にディープラーニングの実装を行う人ではなく、企画担当者やマネージャー向けの試験でしょう。

難易度はわりと低く、ある程度の前提知識があれば、公式テキストに一通り目を通して、あとはググれば何とかなると思う。 「2時間で約200問、1問あたり36秒。そんな時間は無い」という話もあるけど、10秒で分かる問題が3割、公式テキストの索引を引くか検索するかで30秒くらいですぐに答えが分かる問題が2割ずつ、あと2割は1-2分時間を掛けてしっかりググって、(何割で合格かは非公開だけど)残り1割は別に落としても良いだろ、くらいの時間感覚だった。

一方で、広く浅くの試験なので、検索と資料の参照を封じられると一気に難易度が上がる。 ディープラーニングを使って仕事をしている人でも落ちるんじゃないかと思う。 今では誰も使っていないような古いモデルも把握していますか? ネオコグニトロンって知っていますか? フォルマントという言葉は? 個人情報取扱事業者に課せられる義務のうち努力義務は何? 「Ethically Aligned Design」を提唱したのはどこの団体? みたいな感じ。 頭を使う問題は無くてググればすぐに分かるけど、そんなに色々覚えてないよと。

ということで、試験合格のためには検索スキルが重要であり、「G検定はG(oogle)検索検定」などと揶揄されていたりもする。

ここまで読んで「え? 試験なのにネット検索ありなの?」と思いますよね。 「検索したら楽勝だったわw」とツイートしたら大炎上すると思いますよね。 私は思いました。

でも、受験者のブログやTwitterを見ていると、みんな当たり前のように検索の話をしている。 いちいちネットで検索するよりも、頻出用語をまとめたテキストファイルを作っておくという手もあるらしい。 それを売っている人もいた。

「へー、検索ありなんだ」と思って念のために、↑の公式サイトの試験概要を見ても、そんなことは一言も書かれていない。 申し込んだ後のメールとかでの案内に書いてあるのかとも思ったけど、特に無し。 逆に、受験開始前に同意させられる受験規約には、

なりすまし、カンニング、試験中に援助を受けたりするなど不正行為があったと判断される場合、もしくはそのような行為が疑われる場合は結果を取り消される可能性があります。

http://docs.jdla-exam.org/OperationManual_Examinees_JP.pdf#page=40

と書かれている。特に定義が無ければ、一般的に、「カンニング」というのは試験中のネット検索や資料の参照を含むはず。

5ch。

35名無し検定1級さん2020/07/16(木) 19:13:14.17ID:LWGsH0Yq

>>34

一方通行の正義を押し付けるんじゃなくて、ちゃんとルール読んだり、JDLA公式の動画とか見ような。

JDLA公式の質問会でグーグル検索については「してよい」と見解が出てるんだわ。

【JDLA】G検定 part2

この動画が見つからん。

これかなぁ。

www.youtube.com

19:56

できればですね。 僕らオンラインでこれやりたかった。 そうするとやっぱりどうしてもカンニングというかですね、手元に資料があったりとかする中で受けてくださいというものになりますので、 そうすると、本当に分かっているかどうかというのを1問30秒ぐらいになりますけど、パッとパッと出てくるような状況にあるかを確認したいので、こういうった制限時間の中でたくさん答えていただくというような形でG検定を実施しています。

22:46

司会「検索することも意味があるということですよね?」

理事・事務局長「そこで得た知識も自分のものにしていただけたらという風に思っています」

司会「結局、最新の情報を入手する方法が身に付いているかということもあるということですよね。試験中に検索ができるということは」

理事・事務局長「その通りですね、はい」(小声なのでよく聞き取れず)

試験中に検索することが前提の話の流れだけど、「検索して良いですか?」「良いですよ」とはっきり言っているわけではないんだよな……。

www.youtube.com

協会主催の合格体験談オンラインセミナーでは、合格者が当たり前のように試験中の検索やカンニングペーパーの作成に言及している。

ということで、「Google検索はありなのか?」の答えは、探した限りでは、はっきり文章でOKと言っているものは無い。 が、試験の主催も試験中に皆が検索や資料の参照をしていることは認識していて、咎めるつもりは無さそう。 まずは公式のイベントで合格体験談を話していた人の合格を取り消せという話になるので、Twitterなどで「検索して合格した」とツイートしたところで合格を取り消されることも無いだろう。 たぶん。 検索に関して公式がどこかに書いているのを見つけた人がいたらコメントででも教えてほしい。

はっきりしていない状態は良くないと思う。 こういう情報を知らずに受けた人は検索しても良いとは思わないだろうから、大きく不利になる。 「検索ありなのかな?」と調べていたら、「自宅でのオンライン受験なのでバレません」みたいなことを書いているブログもあった。 その理屈だと、カンニングと同様に規約で禁止されている代理受験もありになる。 さすがに代理受験は試験主催者としては止めてほしいだろう。 ちなみに、試験はブラウザなのだけど問題文のコピーはできないように対策されている。 なので、検索するときは手打ち。 これをコピーできるようにするブラウザ拡張があったら便利なので、そういうのも出てきかねない。

検索したら10秒で分かることを詰め込むような試験勉強はしたくないし、それをどれだけ覚えているかで合否が決まる資格に意味があるとは思わないので、試験で検索ができること自体は良いと思う。 運営は「試験中にインターネットを見るのも資料を参照するのもOK」というのを試験の要項にはっきりと書いてほしい。