……をXで見かけた。 Xでいくら怒りをツイートしても、次にどこかの番組が「目隠しでルービックキューブ揃えられる人を紹介する企画とかどうかな」と思ったときに目に止まることはなく、同じ事が繰り返されるだろう。 ブログに書いておけば、目に止まる確率が多少は上がるだろう、ということでまとめておく。
次のような論点があって、私には嘘なのかどうかの判断が付きかねる。
- 「目隠しでルービックキューブを揃える」の一般的な定義は何か
- 番組と出演者はどのような定義だと思っているのか
- 出演者はその定義に反する揃え方をしたのか
どれも分からん。
なお、私は、以下のWCAの定めるレギュレーションに沿って、目隠しで揃えることはできる。 5分間くらい掛けて、2回に1回成功するくらいの確率。 公式の大会でも成功したので、そういう意味では揃えられるという証拠もある。
放送された番組
「有吉のお金発見 突撃!カネオくん」の2025年2月1日に放送された「クロスワードパズルのお金の秘密に迫る!」。 2月8日に再放送があるし、NHKオンデマンドで見られる。 該当の箇所は、オンデマンドでは再生時間の30分くらいから。
目隠しでルービックキューブを揃えるの定義は何か
ここが一番の問題だと思っている。
ある特定の状態のキューブについて解き方を覚えて、目隠しして揃えられるようになったとして、それで「目隠しでルービックキューブを揃えられる」と言えるかという話。 その揃えられるという人は、ある特定の状態についてしか目隠しで揃えられないという状況。
番組の後のほうで出てくる世界大会などは、WCA(The World Cube Association)が管轄(govern)している。 WCAの大会規則では、試技ごとにランダムにスクランブル(シャッフル)されたキューブが渡され、10分間とかの競技時間の間に、それを記憶して、目隠しして、揃える。 このスクランブルも、適当にガチャガチャ回すのではなく、コンピューターでランダムな状態を生成することになっている。 大会規則は以下のページに載っている。
WCA 大会規則 | World Cube Association
大会に出るガチな人達は、目隠しで揃えるというのは、このWCAのレギュレーション通りのことだと思っている。 一方で、詳しくない人にしてみれば、特定の状態だけでも目隠しで揃えられているのだから、揃えられるで良いんじゃない? と思うかもしれない。 ある状態について、競技のときの数分で覚えるか、何日も掛けて覚えるかの違いしか無いだろと言われれば、それもそう。 でも、ある状態についてだけなら、とても簡単ではある。 7-8手も回せばパッと見ぐちゃぐちゃになるし、7-8手くらいを覚えるのは簡単。
目隠しで揃える一般的な手法
超人的な技のように思えるかもしれないが、意外とできる。 私にもできた。 「1週間くらい掛けて何かを成し遂げたいな」と思っている人は、時間ができたときに挑戦してみると良い。 初めて揃えられたときは、なかなかの達成感があった。
手法は次の動画が詳しい。
要は、下図のように、どのピースをどこに移動すれば良いのかというのを記憶して、1個ずつ(上級者は2個ずつ)移動していく。

次の図のように、下面の十字を揃え、下2層を揃え、残り1面の上面の色を揃え、残り1面側面を揃える、スピード競技で一般的な解法(CFOP)とは全く異なる。

ここにも論点があり、「その目隠し嘘だろ。手順が違う」と指摘されていることがある。 目隠しでCFOPを使って揃えることができないのかどうか私には分からない。 世の中、映像記憶 というすごいスキルを持った人がいて、見たキューブの映像をそのまま頭に思い浮かべて解けるとしてもおかしくはない。 まあ、少なくとも、私の知る限り、大会で上位に入賞するような人達にそれをしている人がいないというのは事実である。
で、番組ではどうだったのか?
これが分からん。
まず、どちらの定義なのかは特に触れられていない。
揃える手順は、CFOPでも、1個ずつ移動していく感じでもなく見える。 2個ずつ移動する(3styleと言う)動きっぽくも見えるが、そもそも私ができないので分からん。
スクランブルは、良く見ると最初から揃っているピースがけっこうある。 ラッキーでそのくらい揃っていることもあるだろうし、例えば番組スタッフが雑に混ぜたらまあこのくらいになることはあるだろう。 「コンピューターでランダムにスクランブルしていないから嘘だ」というのは酷な気がする。
別でYouTubeにも動画を上げていて、これはさすがに最初から揃いすぎだろとは思う。 たぶん、CFOPの下2層を揃えるステップの最後あたりからやっているだけだよね。
番組に出てくれる人を探すには?
ガチで目隠しで揃えられる人は日本にもいっぱいいる。 トップ層だと、記憶する時間も含めて30秒も掛からないので、映えそう。
そういう人にコンタクトを取るには……どうしたら良いのだろう。
日本では、一般社団法人スピードキューブジャパン が大会を開いている *1 ので、連絡をすれば誰か紹介してくれるかもしれない。私が勝手に書いているだけなので、してくれないかもしれない。
*1:開いてないんだっけ? 委託(後援?)するから開く団体を募集しますみたいなお知らせを見た覚えがある。この辺良く分からん。